「髪の毛がだんだんと細くなってきた・・・」
「育毛剤を使っているのになかなか髪の毛が太くならない」
など、髪の毛がだんだんと薄くなる状態を克服しようと努力している方も多いと思います。
髪の毛の成長は遅いので、育毛をするためには根気と努力が必要となります。そんな中、育毛剤を使用していたりシャンプーなども気を付けているのに効果をあまり感じない場合は、栄養が足りていないのかもしれません。
通常は食事から栄養を補うことを行いますが、食事では不足する栄養を補助する目的で日本では1996年に規制が緩和され、その後サプリメントが販売されるようになりました。
サプリメントではビタミンから始まり、ハーブやミネラル、アミノ酸などさまざまな栄養素などがサプリメントとして販売されることになりました。法律上は食品として扱われるサプリメントですが、ビタミンやミネラルなどは栄養機能食品としての対象になっております。
ミネラルのひとつとしては亜鉛があります。亜鉛は髪の毛に良いとされており、亜鉛サプリメントとして簡単に摂取することができます。コンビニやスーパーでも購入することができる亜鉛サプリメントですが、本当に髪の毛に良いのでしょうか?今回は亜鉛サプリについて育毛に効果的なのか、ハゲに効果的なのか調べてみました。
髪の毛の成長のしくみ
髪の毛の成長は毛根にある毛母細胞で細胞分裂が行われることで徐々に伸びていきます。そのため毛母細胞は髪の毛の製造工場となるのですが、製造工場に材料が運ばれなければ髪の毛を作り出すことはできません。この材料を毛母細胞に運ぶのが毛乳頭となります。
毛乳頭は頭皮の毛細血管と毛母細胞の間に立ち、毛細血管から栄養という髪の毛を作る材料を受け取り毛母細胞へ送り届けます。この時の栄養の量が少ないと作られる髪の毛の成長は遅くなってしまいます。また栄養素以外のものであるDHTなどを受け取ってしまい毛母細胞に送り届けてしまうと、成長どころか脱毛の原因となってしまいます。
つまり、髪の成長には製造工場となる毛母細胞に栄養を送り届けることが必要となります。また、スムーズに栄養を運搬できるように頭皮の血行の促進が必要となっていきます。
髪の毛の成長は見た目からはそれほど早くは感じないですが、毛母細胞での細胞分裂は体の中でもっとも活発な細胞のひとつです。抗がん剤を使用すると髪の毛が抜けてしまうことが多いですよね。これは癌細胞が増えないように細胞分裂を抑制する抗がん剤が、副作用として癌細胞以外の細胞の細胞分裂を抑制したことで起こったことになります。もともと癌細胞は自身の細胞ですので、癌になっていない自身の細胞も影響を受け、細胞分裂が活発な髪の毛が影響を受けやすいことが抗がん剤での脱毛の原因となります。
細胞分裂が活発な毛母細胞は栄養が不足することの影響もでやすいです。しっかりと栄養を摂取することが、強い髪の毛を成長させ育毛を促進させる結果となります。
亜鉛が体に与える影響
亜鉛の効果として、
創傷治癒
免疫力の工場
ホルモン分泌の向上
子供の成長促進
細胞分裂の促進
などなど、さまざまな効果があり、体内酵素の活性化に大きく関与することで上記のような効果を発揮することとなります。効果のひとつに細胞分裂の促進がありますね。もちろんこれは毛母細胞での細胞分裂に大きく関わることになるので、亜鉛は髪の成長に必要な成分となります。また、亜鉛は成長した髪の毛自体の保護として、キューティクルの生成にも関わりますので、外的刺激に負けない髪の毛を作る手助けも行うことになります。
亜鉛の1日の摂取量は?
一般的なヒトには1円玉2枚1円玉はアルミニウムでできていますが)2gほど体内に存在しており、微量元素では鉄に次いで多い必須ミネラルのひとつとなります。成人男性の亜鉛必要量は10mg/日(成人女性は8mg/日)となっており、耐容上限量は40~45mg/日(成人女性は35mg/日)です。
激しい運動をする方や偏った食事、ダイエットなどをしている方は亜鉛欠乏になりやすいのでしっかりと亜鉛を摂取することを行いましょう。亜鉛が不足することで亜鉛の効果が得られなくなりますので、傷が治りにくくなったり風邪を引きやすくなったり、性欲が減退することにもなります。もちろん細胞分裂の活発な毛母細胞は栄養が受け取れないことで、より影響を受け髪の成長が抑制されたり、髪の毛がパサつくなどの影響を与えることになるでしょう。
食品100gあたりの亜鉛含有量は牡蠣が一番多く13.2mgとなっており、次いで豚レバーの6.9mg、ほや5.3mg、牛肩肉4.9mgとなっております。食事で不足する場合はサプリメントで効率よく摂取することが可能で、1錠服用すれば1日の必要量を十分に補うことが可能となります。
効果的な亜鉛の摂取方法
1日の必要量の亜鉛を摂取しても効率的に体内に吸収されなければ意味がありません。できるだけ亜鉛の吸収を邪魔するものと併用しないようにすることが必要となります。亜鉛の吸収を阻害するものとして、
食物繊維
野菜や海藻類に多く含まれている食物繊維ですが、亜鉛などのミネラルの吸収を妨げる働きがあります。ただし、一般的な量であればそれほど問題になるほどでもなく、食物繊維自体も大腸の働きに重要なものであるためバランスよく摂取しましょう。
フィチン酸
穀物や豆類に多く含まれれるフィチン酸もミネラルと結びつきやすいので亜鉛などの吸収を妨げる要因となります。
銅や鉄
同じミネラルの銅や鉄を過剰に摂取してしまうと、亜鉛の吸収が阻害されてしまいます。この三者は、バランスよく摂取しないと、他者の吸収を阻害することを行ってしまいそれぞれの欠乏症を引き起こしてしまいます。
アルコール
アルコールを摂取しすぎると亜鉛だけではなく、他の栄養素の吸収も阻害されてしまいます。アルコール自体は体内では毒であるため、体がアルコールを体外に排出することを優先的に行ってしまうことで吸収を行う作業ができなくなってしまいます。また、アルコールには利尿作用があるため尿の頻度が高くなります。飲酒中の尿の排出にはカルシウムや亜鉛などの栄養素が過剰に排出されてしまうことも起こします。
亜鉛の摂り過ぎに注意
髪の毛によい亜鉛ですが、過剰に摂取した場合、人体にあまりよくない影響を与えます。食品だけであれば、過剰摂取になる確率は少ないですが、サプリメントの場合は食品から亜鉛を摂取するよりも楽に必要量を摂取しやすいですが、過剰摂取になりやすいです。過剰摂取をすることで、鉄や銅の欠乏症となり、貧血や免疫障害、下痢、急性亜鉛中毒などを引き起こすことがあります。
亜鉛はミネラルのひとつとして、髪の毛だけではなく体にも良い働きを行います。亜鉛サプリメントでは手軽に摂取できるため、亜鉛の欠乏を引き起こすことなく、1日の必要摂取量を取ることが可能となります。また、亜鉛を摂取することで毛母細胞の細胞分裂が活性化され髪の毛の育毛にも役に立つことになるでしょう。
しかし、亜鉛を摂取しただけでは毛母細胞が活性化されても髪の毛を生産する材料がなければ育毛は行われません、亜鉛を始め、ビタミンやその他ミネラル、髪の主原料となるタンパク質をバランスよく摂取することがより育毛環境を整えハゲに効果を発揮させることが可能となるでしょう。
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